憲法改正問題(68)憲法改正とその規定の問題(3)

摘要

わが国の憲法改正規定を論ずる前にわが国の憲法を起草したGHQの祖国の憲法改正に関する生成過程や規定の考え方等について目を向けてみる。わが国の憲法改正規定が頗る硬性であることの理解の一助となると思うからだ。国の最高規範である憲法の改正規定については、殆どの国が立法手続きとは異なる特別の規定を置いている。殆どの国はいわゆる硬性憲法国家なのだ。しかし、その規定の仕方は憲法に対する国民の姿勢、憲法の諸規定のあり方、各国憲法制定の歴史的事情等を反映して区々である。そして、それらのことと憲法改正の定め方とが反映して各国の憲法改正の頻度も区々である。それ故、諸外国の憲法改正の頻度がわが国の憲法改正の問題とは無関係であることについては既に述べた。わが国の憲法改正はわが国の問題であって外国の憲法改正の状況とは無関係なのだ。