杉並区立 小中一貫教育校 杉並和泉学園

摘要

「杉並区立杉並和泉学園」は和泉小•新泉小•和泉中の三校の統廃合により誕生した杉並区初となる施設一体型の小中一貫校である。昭和58年に竣工した和泉中を改修し、和泉中グラウンド部分に建設する新築校舎と連結することで「生徒」、「教師」、「地域」をつなぐ小中一貫校として整備する全国的にも稀有なプログラムを持つプロジェクトであった。既存校舎には当時としては珍しく普通教室前に広いオープンスペースを構えており、新築校舎側の共用部と各フロアで接続し、小中の交流の核となる場を創造することを目指した。小中共用のラーニングセンターと二層吹抜けのトップライトによる採光豊かなランチスぺースを施設の中心に据えることにより、異学年の交流を誘発するようにしている。さらには既存校舎のオープンスペースとも一体的に利用可能のため様々なイベントや展示にも活用することができ各学年の活動を知ることで互いに思いやり助け合う精神を育むことができる。トップライト部は吹抜けを利用した煙突効果により各フロアの自然換気促進の役割を果し、大きなフロアプレートの中心に風と光を感じられる心地よい場所を実現した。縦長の大きな外装ポッ窓の手前に転落防止用の木棚を設置し、自然換気を積極的に活用できるように開口制限のない窓システムとしている。北•西側は奥行の深いランダム配置の窓とし日射遮蔽に寄与するだけでなく、室内側の掲示板の壁量を確保し、内外デザインの大きな特徴となっている。