潜水艦史上に燦然と輝く太戦果を挙げがらも志半ばでわ斃た名艦長

摘要

昭和17年（1942年）9月15日、午前9時50分。南太平洋サンクリストパル島南東沖、145浬。日本海軍第二潜水隊所属の潜水艦伊一九は、遠方より接近してくる大艦隊の航行音を水中聴音機でキャッチした。この海域はニューカレドニアからガダルカナルに向かう米軍海上輸送路の途上にあり、日本海軍はこの海域に潜水艦9隻を配した「K散開線」を設定して網を張っていたのである。8月のガダルカナル島米軍上陸に端を発したソロモン海の攻防戦は、徐々にその激しさを増しっつあった。連合艦隊は、敵の輸送路の破壊と機動部隊の捕捉撃滅を目的として、ソロモン海に可動潜水艦の大部分を派遣する。