世界を驚愕させた蒼海の尖兵 特型駆逐艦

摘要

1922年のワシントン海軍条約により、列強海軍では主力艦の建造に制限がかけられることとなった。rnそこで日本海軍は補助艦艇の充実を図り、画期的な重武装駆逐艦である特型駆逐艦を生み出す。ネームシップの「吹雪」から吹雪型駆逐艦とも呼ばれる特型は、61cm三連装魚雷発射管3基と12.7cm連装主砲3基を装備し、前級の睦月型の1.5倍以上という破格の攻擊カを有していた。この、当時としては常職外れの高性能駆逐艦の誕生に、世界の海軍関係者は驚愕し、後のロンドン軍縮条約で特型を狙い擊ちした制限が加えられるほどであった。駆逐艦建造史においての戦艦「ドレツドノート」が特型駆逐艦だったと言っても遇言ではないのである。駆逐艦の歴史に革命をもたらした特型駆逐艦は、昭和3年(1928年(から8年にかけて24隻が竣工し、太平洋戦争ではやや旧式化していたものの死力を尽くして戦い、生き残ったのは2隻のみだった！特に「緩波」の壮絶な激闘と最期はよく知られている。rn本特集では特型逐艦の各部メカ、建造の経緯、水雷戦隊の運用、戦歴などを詳細に解説、その全貌に迫る。