極北の砲炎機龍フィンランド軍戦車の戦闘記録

摘要

第二次大戦のフィンランド軍戦車は、ソ連との二度にわたる戦争と、その戦争で共闘したドイツとの戦争という三つの戦争を戦った。それぞれの戦争で、フィンランド軍戦車はいかなる戦いぶりを見せたのか。本稿ではその詳細を解説する。第一次大戦後、ョーロツパには多数の独立国が誕生した。そのひとつがフィンランドである。フィンランドは長らくスウェーデンの一部であったが、ナポレオン戦争中にロシア帝国の領土となり、1917年のロシア革命の余波の中、独立を達成した。しかし、ブルジョワ·農民層と共産主義者の間で内戦となり、さらにフィンランドとソビエト政府は、東カレリア(現在のフィンランド領の東側一体に広がる森林地帯)の領有をめぐり紛争となった。その結果、フインランドとソビエト政府との関係は冷たいものとなった。