栄光なき敗者の栄光

摘要

世界に先駆けて全金属製単葉機を生産するなど、ドイツ航空界は優れた技術を持ちながら第一次大戦の敗北によって軍用機の開発、生産、保有をいっさい禁じられてしまった。しかしユンカース社はヴェルサイユ条約下の監視をくぐってスウェーデンに会社を設立、1920年代後半より軍用機の開発を再開した。1927年には全金属製の単葉双発小型機K-37が完成し、爆撃、偵察、輸送に使える機体として各国に売り込みを行った。欧米では買い手がつかなかったが、興味を示した日本陸軍が1機を購入、これをへ—スとして三菱にキ1、キ2として試作を命じた。