摩擦攪拌接合継手の曲げ性: 構造用アルミニウム合金の摩擦攪拌接合継手の諸特性に関する研究 （第4報）

摘要

母材及びFSW施工法を違えて作製したFSW継手の曲げ性を明らかにした．本報で得られた結果概要は以下の通りである．（1）5XX継手の場合：何れの継手も，表・裏曲げとも押曲げ法で，その押金具先端部直径4t（32mm）まで曲げられ，臨界曲げ直径を得るには至らなかった．また，両者の違いによる差異は認められなかった．（2）6XX継手の場合：殆どの継手は，巻付け法で，表・裏曲げとも，臨界曲げ直径は5.1t（41mm）となった．両者のごく一部の組合せのもとの継手では，臨界曲げ直径が3.5t（28mm）となり，曲げ性が向上した．これは，一因として，本継手の広い範囲に亘り均一な局部伸びが分布した結果と考えられる．（3）7XX継手の場合：何れの継手も，表・裏曲げとも巻付け法で，臨界曲げ直径は6.8t（54mm）となった．また，両者の違いによる差異ほ認められなかった．なお，何れの継手においても，ISO15614-2に規定されている，曲げ試験には，十分に合格したことを付記する．