平成26年広島豪雨災害の報告(速報)

摘要

8月20日未明広島市内は局地的に時間100mmを超える豪雨となった。このため、安佐南区と安佐北区では、午前3時から午前4時にかけて土石流(107個所)とがけ崩れ(59個所)が同時多発的に発生し、多数の住宅がのみ込まれた。人的被害は、死者74名、負傷者44名、家屋被害は全壊133棟、半壊122棟、一部損壞175棟、床上浸水1302棟、床下浸水2829棟であった。広島県では1999年に死者·行方不明者32名、負傷者54名、損壞家屋4785戸という甚大な被害をもたらした平成11年6·29災害(豪雨)が発生している。この災害をきっかけに2000年5月に土砂災害防止法が制定され、土砂災害防止に必要な調査と区域指定、警戒避難体制の整備が進められてきた。本法律が制定されて14年経過後に、死者74名という近年の土砂災害としては飛び抜けて多くの人的被害が広島で発生したことは、大きな衝撃であった。土木学会中国支部では発災後ただちに地盤工学会と合同で広島豪雨災害合同緊急調査団を組織し、調査を開始した。8月27日には磯部雅彦土木学会会長も調査に参加し、その後記者会見を行って調査結果と今後の調査の方向について報告した。