土木における新技術活用の拡大方策:シーズサイドから見た新技術活用

摘要

50年前の技術を現在と比較すると、電話はようやく普及していたが、ファックスなど夢のまた夢。それが現在では携帯電話、電子メールからスマホまで、ついていくのがやっとというほどに技術進歩が早い。電車の中で周りを見渡して、新聞を読んでいるのは筆者だけ、というほどメディアの媒体も変化している。一方土木の世界では、50年前に本四架橋、青函トンネル、黒部ダムでその技術力が社会から赏賛され、土木工学という学問分野の魅力も生み出してきた。その後の高度経済成長の中で、土木工学は社会資本整備というニーズに応えるべく、さまざまな新技術を創造してきた。しかし近年、土木技術のなかでスマホに相当するような、世間一般が目を見張るような新技術は以前のようには出現してこなくなつた。土木が社会基盤の名が示すような縁の下の力持ちで、外部からは見えづらい、という面はあるにしても、なぜ、という疑問を多くの会員も持たれているのではないかと思う。