国土交通省の気候変動への適応の取組み

摘要

地球温暖化に伴い、世界各地において短時間強雨や大雨の発生頻度の増加、海面水位の上昇、台風の激化、干ばつ·熱波の増加などが懸念されており、これらに対処する適応策の検討が喫緊の課題となっている。こうした状況を踏まえ、わが国においても、2015年に政府全体の適応計画が初めて策定されることとなった。国土交通省は、国土の保全、まちづくり、交通政策、住宅.建築物、気象など多様な分野を所管し、安心·安全な国土·地域づくりを担うなど、適応策に果たす役割が大きいことから、2015年11月、「国土交通省気候変動適応計画」を策定して、関連施策を取りまとめた(図1)。このうち水災害分野の適応策については、「社会資本整備審議会河川分科会気候変動に適応した治水対策検討小委員会」から2015年8月に答申が出されている。