Analysis on Thermal Efficiency on Non-Compressor Type Pulse Detonation Turbine Engines

摘要

可燃性予混合気中を超音速伝播する燃焼波であるデトネーション波を燃焼過程に用いた内燃機関が近年注目されている.その最大のモチベーションは，熱力学サイクルの理論熱効率が，同一の初期圧縮比においてブレイトンサイクルよりも高い点にある.衝撃波による断熱圧縮を含む燃焼過程により，燃焼ガスの生成とともに圧力上昇が行われるからである.これをガスタービンエンジンの燃焼過程に適用したものが.本研究の対象であるパルスデトネーションタービンエンジン(以下，PDTE)である.デトネーション波を燃焼器内で定在化することは困難であるため，直管状の燃焼器内で間欠的に数Hz〜数100Hzでデトネーション波を発生させ，時間平均的に連続した燃焼ガスを生成する.このような燃焼器は.パルスデトネーション燃焼器(以下，PDC)と呼ばれている.燃焼過程そのものに圧縮作用があることから，機械的な圧縮機構を簡略化，または予圧縮なし(無圧縮機型PDTE)でも仕事を取り出すことができ，エンジン構造の単純化が期待できる.タービンを用いない場合は特に，パルスデトネーションエンジンと呼ばれ，航空宇宙用推進器(ロケット，空気吸込式)への応用を目指して精力的に研究が行われている.