福島第一原子力発電所廃炉に関わる放射線計測技術調査専門委員会

摘要

福島第一原子力発電所では事故から7年が経過し，廃炉に向けた取り組みが進められている。海水の放射能モニタリングゃ敷地内大気のモニタリング等，従来の放射線計測技術を用いて着実に実施されているが，大量の廃棄物，汚染水及びその処理によって発生した廃棄物の放射能測定など課題が多い。更に，燃料デブリ取り出しに向けて，今までに直面したことのない厳しい環境での測定が求められる。原子炉格納容器内調査においては既に遠隔測定装置が投入されて成果をあげているが，実際に燃料デブリを取り出す際には，様々な放射線測定を活用しての分析，核物質としての計量管理をしなければならない。また，作業管理としての放射線·放射能測定，作業に伴い発生する廃棄物管理に伴う放射線測定も求めちれる。廃炉作業完遂に向けてこれら測定要求を満たす新しい放射線測定を実現するためには，従来の原子力プラント放射線モニタリング技術に加え，他分野で実績のある放射線計測技術の応用や，様々な目的に向けて開発されてきた要素技術の活用が必要となる。上記を受け，本委員会では，廃炉作業完遂までに求められる放射線計測を実現する，既存の遮蔽等を含めた放射線技術と，活用が見込まれる要素技術を広く調査し，実現に向けての課題を整理して，廃炉関連計測技術の将来像を展望することを目的とする。