顔写真の撮影角度が印象に及ぼす影響

摘要

同一の立体形状を持つ顔であっても写真を撮る際の撮影角度によって印象が異なると予想された.そこで本研究では，水平，垂直方向に撮影角度を操作して撮影された写真の魅力について検討した.実験の刺激には，女性，男性モデル各1人を，水平，垂直方向のそれぞれに角度を操作して撮影した写真を用いた.各写真が，真正面から撮影された写真と比べてどの程度魅力的かを44名の実験参加者は評価した.結果から，水平角度，垂直角度の主効果，および水平角度と垂直角度の交互作用が有意であることが示された.斜め上から撮影された女性顔の評価の高さや斜め下から撮影された男性顔の評価の高さについて，成熟性と幼児性の特徴への心理反応の観点から議論した.