可逆的分散凝集制御を用いた二酸化チタンサスペンションの開発とインクジエツトへの応用

摘要

これまでにわれわれは，軟凝集性サスペンションの調製について報告している。高分子電解質分散剤を使用してサスペンション中の微粒子を良分散状態とした後,Mg~(2+)イオンを添加して粒子表面に吸着した分散剤間を架橋させることで,静置時は粒子がゲルとして振舞いながら，軽い振とうで一時的に液状に戻るサスペンションである。今回は.この軟凝集性サスペンションに関し，化粧品用粉体として汎用性が高い二酸化チタンを用いた低粘度サスペンションへの応用を試みた。球状の二酸化チタンを用い，わずかな降伏値をもたせることで，粒子の沈降，堆積がない軟凝集性サスペンションの開発に成功した。さらに，このサスペンションをインクジェット用白色インクとして応用したところ，ピエゾタイプカートリッジを用いた粉末固形製品への加飾成型，およぴサーマルタイプカートリッジを用いた家庭用プリンターによる印刷実験，ともに良好な結果を得た。