写真乾板で発見した新素粒子の飛踖: 歴史的回顧

摘要

筆者は，欧米の研究者が能率の悪い過去の実験技術として一度は捨てた 写真乾板の技術を日本独自の方法で甦らせ，最高の空間分解能1μm （ミクロン）を持つ特性を活用して，素粒子の奥に潜む基本粒子の研究で 大きな貢献をした．特に，第4番目の基本粒子c（チャーム）を陽に含 む「祼のチャーム粒子」を1971年に発見し，世界に先駆けてその寿命 の詳しい分析を行った．本稿は一連の研究の詳細なレビューである．