ブラマンテの建築実践を支える理論体系: サン・ピェトロ大聖堂再建事業におけるミケランジェロの計画案　その2

摘要

前稿ではローマのサン・ピエトロ大聖堂再建事業初期の計画過程を検討した結果、ブラマンテからミケランジェロに至る建築家が作成した多彩な案にも共通点が見られ、建築家がブラマンテの基本理念を継承しつつ設計基盤をある程度共有していた可能性を指摘した。だがその具体的な検討には及ばなかったことから、本論では最も影響力があったとみられるブラマンテに焦点を当て、建築実践を支えていた理論的な基盤にまで遡ってみる。