プノンペン（カンボジア）におけるショップハウスの空間構成と街区構成に関する考察

摘要

本研究では、プノンペンのドンペン地区中心部を対象とし、55戸の住戸を対象とした住居構成調査、37街区を対象とした路地・宅地割り調査などの現地調査を主にもととして、街区居住の特徴を明らかにした。ショップハウスの住居形式として3つの形式（細分化すれば7つの形式）を抽出し、コロニアルショップハウスにみられる、1スパンごとの積層居住を行う内階段形式が基本形であることを明らかにした。内階段形式は、積層居住からフラット居住への変化に伴い、外階段形式・外廊下形式へとって代わられつつある。それに伴い、バックレーンとなる街区内の路地の重要性が高まりつつあることを指摘した。宅地割りの形式として2つの形式（細分化すれば4つの形式）を抽出した。路地についても、形態による6つの分類、使われ方による4つの分類等を導き出した。