設計プロセスにおける施主と設計者との打合せでの設計案の提示方法に関する研究設計打合せでの複数案提示の特徴とその効果

摘要

設計者は、設計プロセスの中で施主の要望に応えながら設計する必要があり、設計期間中に度々行われる施主と設計者との打合せは主要な設計行為のーつと考えられる。設計者は設計期間中に、所属する設計組織の中で施主の要望への対応についての確認をうける。多くの設計組織では、施主の満足度を確認する方法を定めている。具体的な方法は組織毎に多少異なるが、基本設計や実施設計の完了直前に、組織内の管理者が参加する会議などで、完成間際の基本設計図や実施設計図を精査する方法で行われている。また、施主と設計者の打合せは、打合せ議事録の書式、議事録の施主への確認方法、議事録の保存方法などを定めて組織的に管理されている。一方、打合せでの協議の内容やその順序、提示する設計案の内容やその提示方法は、組織的に管理されることが少ない。多くの場合プロジェクトを担当する設計者自身が、過去のプロジェクトの経験から獲得した方法により行っている。