同潤会における住宅政策に関する調査活動の進展

摘要

The Housing Policy Research Committee of Dojunkai researched the housing policies of Western countries and drafted Japanese housing policy from 1939 to 1940. This paper describes the research activity process in Dojunkai and the opportunities to establish housing policy. This paper's originality derives from its focus on three features: (1) the preceding research activity in Dojunkai, titled "Research into the building and maintenance of houses"; (2) books about housing policy published by Dojunkai; and (3) relationships between research and drafting activities.%本稿は同潤会において住宅政策に関する調査がいかに進展し、また何を契機に住宅制度調査委員会による活動へと至ったのかを明らかにすることを目的とした。こうした調査活動の進展に際しては、主に三つの出来事が重要であったと考えられる。一点目として、1930(昭和5)年に同潤会内に調査課が設置されたことが挙げられる。その設置は直接的には住宅政策に関する調査の実施には結びつかなかったが、住宅供給組織としてスタートした同潤会に調査セクシヨンが置かれたことが、後に本格的な住宅政策の調査が同潤会内で行われる遠因となったと考えられる。また、戦時期において住宅政策に関する調査活動の中心的役割を果たした乾真介が同課の課長に据えられたことも重要であった。