情報量とデザィン要素に着目した鉄道駅追設サインの利用者評価: 鉄道駅追設サインのポジティブ/ネガティブ要素の検討　その1

摘要

Signs in railway stations are an important source of information for navigating the station. Although such signs are normally planned well and prescribed by the railway companies (called "official signs"), some of the signs are made independently by local station staff at of additional signs at railway stations. As a result, we identified positive and negative elements of the additional signs to improve sign planning at railway stations.%近年の都市部の鉄道駅では、本来の用途である鉄道に関する施設に加え、商業施設の拡充によって空間構成が複雑になる傾向が指摘されている。この現状に対し管理する鉄道会社側は、首都圏駅の再開発プロジェクトに代表される、駅舎や地下空間の改築といった大規模かつ長期間にわたる対応のほか、サインの質•量両面の充実によって旅客の円滑な移動を促す「サイン計画（サインシステム）」を導入してきた。鉄道駅サイン計画は1974年の営団地下鉄11駅への導入以来~(1))、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律（平成18年6月21日法律第91号）に代表される関連法令の整備ゃ改正も追い風となって着実に品質が向上しているが、昨今の駅構内を概観すると、国土交通省総合政策局監修による「バリアフリ一整備ガイドライン」~(2))に基づき、多言語ゃピクトグラムを使用したものや、改札外の主たる施設名や乗り換え路線への案内を詳細に記載した、多種多様な情報が記載されたサインを確認することができる。こうした状況に加え、田中ら~(3))が東京駅をケーススタディーとした研究において、駅構内には移動用サイン以上に屋内広告サインが存在している現況を指摘しているように、駅構内では多くの屋内広告サインが日常的に掲出されている。特に近年では、デジタルサイネージの登場と普及により誘目性が増した広告類の数も増加しているため、利用者が駅を利用する際に感受する情報量は増加の一途を迪つていると考えられる。