乾式土壁パネルを用いた木造軸組耐力壁の開発

摘要

本研究では、壁土や古紙などの室内環境、自然環境に対して低負荷な材料を基幹材料とする乾式土壁パネル（荒壁パネル）を開発し、木造軸組に荒壁パネルを取り付けた耐力壁の耐震性能を実験によって評価し、荒壁パネルの貫や受け材による取り付け方法、壁長の変化に伴う面材の縦横比が復元力特性に及ぼす影響についても明らかにした。荒壁パネルを用いた耐力壁は、従来の伝統的な土壁と比較して、耐力および変形性能の面でも優れており、実用上、十分な性能を有することが分かった。土台を設けず礎石建ちで足固めを有する伝統構法木造軸終における小壁、門型壁など有開口壁についても評価した。また、高い吸放湿性能を有する荒壁パネルでは、含水率が耐力に大きく影響することについても考察した。