板材ユニットを用いた木造ドームの構法開発

摘要

京都議定書議決以後地球温暖化の阻止のため世界のあらゆる分野で二酸化炭素発生量削減に努力しており、建築分野でも親環境性能が要求される時代の中で、二酸化炭素の固定に大きい役目を果たしている森林の健全な育成につながる木造建築が注目されている。木造建築が日々発展を重ねて多様化される昨今の情勢を背景に、木材の新しい活用法として原木並みの市販材料で安価に作れる木造ドームの構法を提案することが本研究の目的である。本報告は下記の4項目の条件を満たす木造ドーム構法の開発についてその基本的な考え方を提案する。（1）低価格で入手できる一般製材品を材料とすること。（2）材料の寸法とドームの形状との関係を数式で整理し、設計段階でドームの形状に適合した材料選びができるようにすること。（3）単純な構造で施工が簡単であること。（4）構造物の使用年限が過ぎたり地域再開発等の理由等により解体することになった場合に備えて解体作業とリサイクル資源化が容易な構造にすること。