地震時変動輘力の大きな高層建物を支持するパイルド・ラフト基礱

摘要

本報告は，パイルド・ラフト基礎で支持される高層建物の設計につ いて述べたものである。前半部分は沈下に関する検討であり，三次元 弾塑性有限要素法による精緻な解析，および，鉄筋計・沈下計による 施工段階の沈下量計測結果が示されている。両者は驚くほどよい対応 を示しており，詳細な地盤調査に基づく精緻な解析によって，基礎- 地盤系の相互作用が精度よく予測できることを明確に示している。こ れに対し，報告の後半では地震時の安全性が検討されているが，こち らは．一転して，現行の基礎構造の耐震設計で用いられているさまざ まな方法と詳細な解析を組み合わせた内容となっている。前半部に見 られた完結性はなく，地盤定数の設定にも一貫性が見られない。これ は著者らの責任では無論なく．現行の設計法の限界を示すものと言え る。はからずも本報告は，地震時における合理的な基礎構造の設計法 の早急な確立を求める内容となっている。%In this paper, the piled raft foundation is supported with thin cement treated soil layer below the raft and various length of friction piles. The part of this raft has a possibility of rising to the surface by over-turning moment of the tall building during a big earthquake. The authors present the outline of designing the foundation, the comparative studies on estimated settlements and measured results, and the analysis results of the lateral resistance of the piled raft which considered the rising zone of the raft from the surface.