修理修景事業における基準の運用実態とオーセンチイシティからみた課題: 佐渡市宿根木重要伝統的建造物群保存地区を対象として

摘要

This research explains problems of the restoration project historic districts through a case of Shukunegi in Sado City. The actual condition of the project and it's problems are clarified from the view point of authenticity. Transformations of exteriors between before and after restorations are analyzed. As a conclusion, uniform design has appeared, and lack of consideration of authenticity can be seen.%佐渡市宿根木重要伝統的建造物群保存地区を対象に，地区内の建築rn特性，修理修景事業の実態，修理修景事業のオーセンティシティからrn見た課題，たとえば，修理済み伝建物で本来見られない外観要素（屋rn根仕上げ，外壁色彩，開口部建具など），まちなみの画一化と各建物rnの個性の軽視，などを明らかにした。またそれを受けて，本来の姿のrn色調への変更など改善提案をしているところは評価される。こうしたrn課題は宿根木のみならず，他の伝建地区にも考えられることであり，rn筆者が指摘しているように，事業関係者間でのオーセンチイシティのrn視点の共有や意識向上，事業時の留意点を説明した解説書等の作成がrn必要であろう。今後は，本来の姿をいかに可能な限り把握して，こうrnした改善策のノウハウを確立すること及び実施の評価が新たな研究課rn題として重要であると示唆される。