主厳に丸鋼を用いた低強度コンクリート部材の耐震性能評価

摘要

既存RC造建物において，圧縮強度が13．5N/mm~2未満の低強度コ ンクリート（以下，LSCという）の建物が，数多く存在することが明 らかにされつつあり，このLSC造建物の耐震診断および耐震改修を 合理的に行える手法を確立することが急務となっている。日本コンク リート工学協会中国支部では，LSCに関する特別研究委員会が設置さ れ，鋭意，実験的な研究が進められており，LSCに関する知見が蓄積 されつつある状況にある。本論は，そのような状況の中で計画された 実験的研究である。この研究の特色は，LSCに対して，主筋が丸鋼で ある場合には，その付着強度は極めて小さいた－めに，曲げ・せん断を 受ける部材では，早期に付着すべり破壊を生じ，すべりを生じないと した場合の曲げ引張耐力よりも，極めて小さい曲げ耐力を示すことを 実験的・理論的に検証し，LSCにおいて，主筋の付着すべり破壊を考 慮することの重要性を指摘したもので，今後の研究の発展が期待され る。%In the series of experimental studies concerning low strength concrete members, it was pointed out that the flexural and shear strength of members with plain round bars was lower than the calculated values. This result is due to the occurrence of bond slip failure before yielding or shear cracking. A calculation flow to obtain the strength of the RC member with low strength concrete and plain round bar is proposed. This flow is verified with data of the previous studies.