収縮低減剤を使用したコンクリートの基本特性に関する統一試験

摘要

収縮低減剤を使用したコンクリートの凍結融解抵抗性を含む基本特性の把握を目的として，3銘柄の代表的な市販収縮低減剤を用いて実施ざれた統一試験の結果を示した論文である。収縮低減剤の使用量が多くなるほど，圧縮強度?凍結融解抵抗性が低下するといった傾向（弱点）は従来から指摘されているものであるが，コンクリート特性との対応から，JASS 5 M-402：2009附属書1のモルタル試験に基づく品質基準の妥当性が示された点は，今後この種の材料の適用性を検討する上で意義深い。評論者としては，モルタルの収縮低減率とコンクリートの収縮低減率が必ずしも一致しない点は興味深い。収縮低減剤はいわば諸刃の剣のような側面を有するが，著者らによって示された知見が適切に活用ざれ，この種の材料が普及し，構造体としての収縮ひび割れ制御効果が定量的に把握され，さらには弱点を克服するための技術開発が促進されることを期待する。%This report investigates basic properties, such as compressive strength, drying shrinkage and freeze-thaw resistance, of normal strength concrete containing shrinkage reducing agent (SRA) of three brands, by same cement and aggregates as well as water-to-cement ratio (=0.5). SRA-added concretes show that compressive strength tend to lower with the increase in dosage, drying shrinkage strain is obviously reduced (more than approximately 15 %), while freeze-thaw resistance is significantly deteriorated.