積雪寒冷地における住宅地街区内の雪堆積状況に関する研究: 吹雪風洞実験におけるシミュレーションによる分析

摘要

本報告は，北海道に実在する住宅地の一部の街区を選定し，模擬雪による風洞実験を用いて，住戸構成などの諸条件の相違による街区内の吹きだまりや吹き払いなどの雪堆積状況について分析したものである。著者らがこれまでに実施してきた，住宅地における居住者の除排雪軽減を目的とした計画学的なアプローチによる一連の研究の実証的検討として，非常に有用な知見を得ている。住宅地における雪対策については，かねてから多くの問題が指摘されているにも関わらず，計画における有効な原理や指針が提示されているとは言えず，一連の研究成果に期待されるものは極めて大きいと言える。なお本報で扱っている風による雪の吹き溜まりは，風向や建物，街路の形状等によって複雑な影響を受けると思われる。その意味で，本報の「まとめ」で示されている計画指針が，本調査地以外でどの程度の普遍性を持つのか，より多様な地域?気象条件での検証が必要であろう。%Aerial photographs of a block of detached houses in the town of Takasu, Hokkaido, were used to create a 1:200 model for wind wind tunnel experiments on snowdrift formation with snow made of activated clay. The pattern of snowdrift formation was successfully reproduced, as verified by aerial photography and measurement survey. The effects of various conditions in and around the block on the formation of snowdrifts were also investigated, and it was found that windward snow piles affected the depth of snow within the town block. This result suggests the need to carefully determine the locations for piling removed snow at the block.