高断熱木製サッシの性能に関する研究: 実証試験による暖房負荷計測

摘要

超高断熱木製サッシを用いた断熱改修の，実大建物による効果検証である。U値0.47w/m~2Kという，世界のトップランナーを凌ぐ超高性能サッシ開発に挑戦されたことに敬意を表する。実大建物を対象に行った断熱改修効果の検証から，70%超の著しい暖房負荷削減効果を明らかにしている。また，実測とシミュレーションから，窓の設計性能が実用レベルで実現していることも同時に示している。本報告で示す改修前の仕様が当地の一般的な既存住宅の性能だとすると，快適性の向上や暖房負荷軽減など投資効果が極めて高いことが覗える。4層ガラスの採用は，.窓全体の重量を著しく増大させることや，外付けを基本とした日本の建築収まりから考えると，木製サッシの交換には工夫が必要で，合理的な収まりの検討や取替え工事手法の検討が必要になると考えられる。今後の取り組みが継続されると共に，本報告の検証結果が製品化や普及につながるよう期待したい。%This paper aims to measure the insulation performance by an actual proof test using the opening which has been developed and to calculate the effect of the opening improvement. The result shows that the building frame and opening improvement enable to reduce over 70% heating load under the conditions of 25 degree indoor and outdoor temperature difference. Furthermore, the opening improvement enable to reduce large heating load in the small scale construction.