建築環境デザイン教育と建築環境デザイン

摘要

建築を考える際、目の前に見える周辺環境だけでなく、 熱の移動や、風の流れ、光の分布など、環境要素は目に 見えないものが多い。これらの多様な環境要素を建築空 間に反映してカタチを持たせるのが、建築環境デザイン におけるプロセスのひとつであろう。では、建築環境デ ザイン教育とは何だろうか。たとえば、大学における教 育を考えてみよう。様々な講座があるが、基礎理論から 演習という段階構成は普遍的なものである横断的視点で みると、基礎理論は意匠、構造、設備、環境各分野に分 かれていて接点はあまりないが、統合する機会が設計演 習である。しかし、設計演習においても意匠、構造の融 合ほど環境と建築のそれは進んでいないよう感じる。で は、この建築環境デザインを教育の視点から考えた場合、 どのような方法が考えられるのか。またその方法が実際 の設計とどのようにつながっていくことがよいのか、建 築環境デザイン教育と建築環境デザインのあいだにある ものについて、いくつかの方法とともに考察する。