木造住宅におけるペレットヒーター利用温風床暖房の暖房効果に関する実測調査

摘要

本報告は，実住宅におけるペレットヒーター利用温風床暖房の効果について実証した貴重な研究事例である。近年の地球温暖化や再生可能エネルギーへ^の関心の高まりから，木質バイオマスを利用した暖房として，薪ストーブ，ペレットストーブの普及が進んでいるが，その一方で，これらに対する調査事例は少なく，定量的な評価が十分になされているとは言い難い。また，温風床暖房の熱源としてペレットストーブを利用した本事例は興味深いものがある。本調査では，室内および床下の空気温度，グローブ温度，躯体表面温度の計測から温熱環境の性状を明らかにするとともに快適性の高さを実証しているが，厳寒日においては2階への供給熱量が不足するといった問題点を指摘している。今後の展開として，解決策として2階への循環風量の増加を提案されているため，その効果の実証にも期待したい。%The authors have researched hot air floor heating system with a wood pellet fan-heater. This paper describes its space heating effects of the first house with the system. Indoor vertical temperature difference was less than 1.5℃ except the date with outside air temperature below 0℃. The globe temperature in the living room varied from 15℃ to 25℃ within the range of comfort globe temperature and that in the second floor's room 11℃ to 22℃. Temperatures of the lower surface of wooden floor surrounding the hot air outlet were kept below 43.1℃.