台湾濁水渓扇端部の〈二林〉地域にみる植民地産業化の影響　その1 三五公司による小作制大農場の開発と農業移民

摘要

筆者らの研究グループでは、台湾西部平原の濁水渓流rn域を対象に、清朝時代から植民地期までの都市史研究をrn進めている。本報告の対象である二林は、濁水渓下流域rnの「扇端部」に位置する。扇端部は排水が悪く、河川氾rn濫は扇央部のように壊滅的な被害をもたらさずとも広rn域・長期の浸水をもたらした。そうした場所が、植民地rn産業化のもとでどのように変化するかを、三五公司によrnる小作制農場経営（本稿）、在郷町（市場町）としてのrn二林市街の植民地後半期の変容（次稿）を通して見る。