中部日本の伝統的農家住宅における緩衝空間の形態意匠の地域特性

摘要

日本の伝統的農家住宅に関する前報告1)では、緩衝空間rnを中心とした形態と意匠の事例報告と中部地方各県の境rn界領域のファサードに占める形態意匠別の境界領域比率rnを提示し、これに基づく分析を行う必要性を示した。そrnこで、本報告では、伝統的農家住宅の室内と屋外の接点rnである緩衝の形態と構成について、用いられる形態意匠rnの要素を量的に提示し、緩衝空間に表出する形態と意匠rnによって各県を立地の風土性としての地域分類を試みるrnことを目的とし分析を行なった。対象地域としては、太rn平洋側から日本海側へと地理的に気候条件が広範な中部rn地方を取り上げた。本報告では、緩衝空間として特に屋rn根と軒回り、縁・庇および開口に関わる形態意匠の要素rnを中心に取り扱う。