板倉構法を用いた応急仮設住宅 の解体と災害公営住宅への転用 に関する事例調査

摘要

After the disasters of Great East Japan Earthquake, emergency temporary houses were built not only by standardized prefabricated method based on light gauge steel construction but also by timber based alternative method. Compared with standardized prefabricated houses, timber houses have a number of advantages such as general appearances and thermal comfort, therefore those could be still alternatives for the future. This is a case study investigation on how to reuse timber elements through dissolution and rebuilding from temporary housing to disaster recovery housing by ITAKURA timber construction method.%近年の木造建築の展開はめざましい。ただ，省エネルギーを始めと する必要性能の高まりもあって，本来他構法に比して優位であるべき リユース性は，十分に検討されていない感があった。こうした状況に おいて本報は，板倉構法に着眼し,応急仮設住宅の使用後における解 体容易性，その後の災害公営住宅への転用適性を，実際の解体•転用 建設プロセスを通して検証している。作業の全てを記録し，人工の内 訳を導出するだけでなく，工程や部位の各場面における能率や仕上が りの評価論にも言及しており，建築界が共有すべき技術報告として存 在感ある論考となっている。板倉構法は，転用性への配慮がなされ， 汎用性が認められた有望な構法であるが,何度も転用できた古民家の 時代とは異なるから，解体と再利用が期待される本報のようなケース，建築の2世代ライフサイクルの実際を，集中的に検討していくことは 有意義と思われる。