日本における公開天文台の観測室の特徴と問題点

摘要

既往の研究が少ない日本の公開天文台に関する研究で，その技術的 な知見は今後の公開天文台設置に大いに役立つことが期待できょう。 本論文ではまず公開天文台について，その形態を類型化した上で観測 室の特徴を考察し，立地の状況，望遠鏡の種類，観測室の形状などの 実態を明らかにしている。さらに各施設へのアンケート調査により施 設の問題点や計画上の工夫を探り，観測室の位置などの建築計画のみ ならず，振動対策や設備に関する環境計画，さらにはバリアフリー化 への知見も示しており有用性は高い。ただ，歴史的な経緯については もう少し踏み込んだ調査がほしいし，老朽化については既に存在しな い施設も知っているので早急に対応策を取りまとめてほしい。また， 天文台には私設のものもあるし，教育施設としての複合機能を持つも のなど様々なので，施設の安全性も含めて計画論としてのさらなる展 開を期待したい。 公開天文台; 観測室; 天文; ドーム%We classified 258 public astronomical observatories into three forms. In this research, we investigated the observation room features of the public Astronomical Observatory. As a result, the following findings were revealed.①Independent type ： Many in the urbanization Control Areas, the telescope's aperture is small. Movable roof are mostly double-opening type.②Simultaneous type ： Functions other than the observation room are diversified. Movable roof are mostly single open type.③Combined type ： The diameter of the telescope is large. Movable roof are mostly upper and lower type. Questionnaire survey revealed problems and ideas by form.