ポリゥレタン樹脂と水性エマルションの併用による2液混合型注入止水工法の開発および性能評価

摘要

水圧の高い場合の地下コンクリートの止水工事には，従来からー液型ポリウレタン樹脂が注入材料として使用されていた。しかし実構造物では硬化のための水分供給が十分でないこともあり，硬化が不十分な箇所の残ることがあった。さらに硬化物は収縮しやすい，伸縮性に乏しい等の欠点もあった。これら問題に対して，液状ウレタンプレボリマーとその硬化に必要な水を十分保有している水性エマルシヨンを組み合わせるという新しいコンセプトを基に，湿潤状態に係わらず安定的に止水する材料を開発した。止水工事は単に漏水防止のみならず，地下構造物の耐久性確保，あるいは地下水系維持といった地下環境保全の面からも，今後重要度を増す。今回の材料はそれらに対して大ぃに貢献することが期待できる。ただデータを読むと，湿潤下地との接着性がやや低い。この点の改善があるとさらに良い材料になるように思われる。今後に期待するものである。%The conventional injection method for waterproofing the cracks emerging underneath a concrete structure is problematic. Therefore, the authors developed a hybrid type waterproofing using two substances consisting of polyurethane resin and aqueous emulsion. This method reliably stops water leakage by thorough curing. This method performed excellently in testing, demonstrating rapid curability, stability of configuration, the elongation property. It also facilitates the injection of chemicals into fine cracks. In application to a structure, this method was demonstrated excellent durability and performance.