合成開口レーダによる船舶検出に関する研究

摘要

〔論文要旨〕近年ひんぱんに発生している船舶による海洋の様々な問題の解決策として注目されているのが合成開口レ丁ダ（SAR：Synthetic Aperture Radar）による船舶検出である．SARによる鴫舶検出の統合システムの構築のためには解決すべき問題がいくつかある．まず，衛星搭載SARの場合の長い回帰日数であるが，これは衛星数を増やすことと可変ビームモードの活用が考えられる．さらに，今まで報告された研究の中で，小型船舶で，“船舶データ”を持つ船舶を検出の対象とした研究の事例が極めて少ないめも問題となっている．SARによる船舶検出統合システムの構築には，SARによ卑小型船舶の検出能力と船舶分類，識別能力を榛証する必要がある．また，従来研究ではSAR画像内の船舶の航跡を利用し船舶の進行方向と航行速度の推定を行っているが，航跡画像が常に存在するとは限らない．航跡のない場合の船舶の航行速度や進行方向を推定する必要がある．