原発性高カイロミクロン血症

摘要

原発性高カイロミクロン(CM)血症(primary chylomicronemia:PCM)は,血中にCMが著しく蓄積する難治性の疾患である.以下PCMについて概説するが,紙面の都合上,疾患の詳細や多くの参考文献を割愛している.CMは,小腸で産生され,食事中(外因性)のトリグリセリド(TG)を全身組織に運ぶリポ蛋白である.CMは,CM中のTGを水解する血管内の酵素であるリポ蛋白リパーゼ(LPL)とその関連蛋白から成るLPL経路により代謝される.TGは肝臓でも合成され(内因性),超低密度リポ蛋白質(VLDL)として肝臓から血中に分泌され,同様にLPL経路で代謝される.