増殖糖尿病網膜症と血管新生因子

摘要

糖尿病網膜症（以下，網膜症）は長期間累積した高血糖による糖代謝異常や生理活性因子（血管透過性亢進因子，接着分子，血管因子，血管新生因子など）の発現異常により，網膜血管壁の構成細胞障害や血液性状の変化をきたし，網膜や硝子体に多彩な病変を呈する網膜細小血管疾患である．網膜症の病期は，前網膜症（網膜症発症前の状態），単純網膜症，増殖前網膜症，増殖網膜症に分類される．