多発性骨髄腫の治療中に二次性骨髄異形成症候群を発症し, その後肝細胞癌（非B非C）を合併した1例

摘要

近年，化学療法および支持療法の進歩により，血液悪性疾患の予後は改善してきている反面，長期生存例の増加に伴い，晩期合併症，とくに治療誘発性白血病（tMDS/sAML）が問題となってきている．また，多発性骨髄腫では免疫不全を合併し，高齢者が多いため，固形癌を含めた他の悪性腫瘍の合併頻度が高いとの報告がみられるが，いまだ肝細胞癌合併の報告は少ない．