薬剤耐性菌を作らず，より有効な抗菌薬を使うには

摘要

1. 現在の薬剤耐性菌は，多くの抗菌薬に耐性を示す多剤耐性菌である．rn2. methicillin耐性黄色ブドウ球菌（MRSA）やvancomycin耐性腸球菌（VRE）など薬剤耐性rn菌は院内感染症の原因菌のみならず，Penicillin耐性肺炎球菌（PRSP）やβ-ラククマーセrn非産生ampicillin耐性インフルエンザ菌（BLNAR）など，市中感染症の原因菌も薬剤耐性rn菌が増加している．rn3. 薬剤耐性菌を作り出さない抗菌薬の選択には，原因微生物を迅速に検査する診断方法の開rn発も欠かせない．rn4. 抗菌薬の選択に際しては，常に自らの医療施設あるいは地域における薬剤耐性菌の最新のrn情報を把握しておくことが重要である．rn5. 賢い抗菌薬の用法・用量にはPK（薬物動態）/PD（薬力学）の理論に基づいた嚢剤の投与方rn法を行う．