心エコー検査でみえない心不全

摘要

症　例：86歳，女性． 　主　訴：労作時呼吸困難． 　既往歴：僧帽弁閉鎖不全症で僧帽弁置換術（77歳時）． 　現病歴：1997年，労作時呼吸困難が出現した．心エコー上は大動脈弁閉鎖不全症，僧帽弁閉鎖不全症，心拡大が認められ，利尿薬，ジギタリス製剤投与により症状が改善し，外来で加療していた．2001年，心不全を発症して入院，僧帽弁閉鎖不全症の増悪が認められたため，僧帽弁置換術を施行した．しかし，その後も心不全のコントロール不良で入退院を繰り返した．2007年，心不全で入院した際は，8秒間の洞停止を認めたため，ペースメーカー植込み術を施行した．2010年2月，心不全が増悪し，入院となった．