頸部血管エコー検査でosci11ating thrombusを確認した心原性脳塞栓症

摘要

症　例　59歳，男性．不整脈原性石室心筋症と高血圧に対して加療を受けていた．胆嚢炎のために近医に入院していたが，2008年5月某日突然，左片麻痔が出現した．脳梗塞と診断され，同医で経静脈的血栓溶解療法が施行された．左片麻痺は一時的に改善したが，再度増悪が認められたため，同日当科に入院した． 　神経学的所見では，構音障害と左顔面を含む左不全片麻痔を認めた．心電図は心房細動の所見であった．頭部MRI拡散強調画像では，右線条体と石島皮質に高信号域を認めた．MRAでは右内頚動脈は描出されなかったが，右中大脳動脈は前交通動脈を介して血流が認められた．