胃がん検診における内視鏡の役割

摘要

1.1胃X線検査による胃がん検診は，有効性が評価された唯－の検診方式である． 1.2近年，内視鏡検診受診者が増加している． 1.3経鼻内視鏡が，受容性，安全性が高く検診に適した検査法として注目されているが，さらなる検討が必要である． 1.4内視鏡検診受診者は今後も増加して行くことが予想される．検診効率やマンパワーの限界など内視鏡検診の問題点を考慮すると，現在中心的役割を果たしている胃X線検診と協調し対象集約を行い，検診精度を維持していくことが大切である． 1.5除菌例の扱いなど注意したうえで血清ペプシノゲン（PG）値とHelicobacter pylori検査で胃がん発症リスクを評価し，検診対象のハイリスクを集約することが，現実的かつ有効な手段と考えられる．