妊娠中の高血圧治療の実際

摘要

1. 妊婦の高血圧性疾患には，妊娠特有の病態である妊娠高血圧症候群rn（PIH）と偶発合併症である高血圧症がある．後者はPIHを併発することrnがあり，加重型妊娠高血圧腎症という．rn2. 収縮期血圧160mmHgあるいは拡張期血圧110mmHgを超える重症rn高血圧は，母体合併症や続発症を防止するために降圧薬療法の適応であrnるが，胎盤機能不全が発生しないよう過度の降圧を避けねばならない．rn3. 胎児への影響の観点から，妊婦にはACE阻害薬とアンジオテンシン受rn容体桔抗薬は禁忌で，methyldopaとhydralazine がもっとも安全とさrnれる．nifedipineやIabetalolも広く国内外で使用されているが，日本rnでは添付文書上妊娠中禁忌であるため，十分なインフォームドコンセンrnトを得てから処方する．