生物学的製剤の副作用とその対策

摘要

1.リウマチ性疾患に対して本邦で使用できる生物学的製剤は5種類となったが，安全使用のためには，標的となる分子や製剤の特徴を正しく理解する必要がある．2.生物学的製剤使用において重篤な副作用の約半数は感染症である．3.結核を含む細菌，真菌，ウイルスなどによる（日和見）感染症は，最重要な予後不良因子である．4.早期診断，早期治療とともに，ガイドラインに沿った評価と管理を行い，抗結核薬やワクチンによる予防が必要である．5.高齢，既存肺疾患の存在，ステロイド使用は感染の危険因子であり，ステロイドの減圭・中止は常に意識する必要がある．