ルーテンバッヒヤー症候群

摘要

1.本症候群は，ASDとMSの合併する病態である． 2.ASDにより僧帽弁を通過する血流量が減少してMSの特徴的な所見が軽減されるため，MSの重症度を見誤ることがある． 3.肺うつ血，あるいは心拡大の著明なASD症例に対しては，常に僧帽弁疾患の合併を考慮する必要がある． 4.MSを軽視してASD閉鎖術のみ行うと，術後心不全になることがある． 5.一度症状が出ると急激に悪化するので,症状が発現したら可及的早期に手術をすべきである．