輸液療法施行中のモニタリング

摘要

1.輸液療法においては，体液量および電解質の異常，ビタミン•微量元素の異常，輸液 に伴う合併症をモニタリングすることが重要である.2.輸液量のモニタリングとして身体所見，体重のチェックのほか，超音波検査などを行ラ.3.電解質異常のモニタリングとして適切な採血採尿での評価のほか，心電図モニターの 装着を行う.4.ビタミン，微量元素欠乏は見逃されやすく，とくに長期間の末梢点滴時には注意する.輸液療法には是正輸液(現時点で水•電解質が 欠乏している場合に補充して，その欠乏を是正 するもの），維持輸液(飲水•摂食がないあるい は不足時に今後必要な水分•電解質を補給する もの），および栄養輸液（エネルギーやビタミン などの栄養素を補充するもの）があげられる.輸 液療法を開始した後は，漫然と継続するのでは なく量やその内容，および投与期間などを適宜 評価変更していく必要がある.本稿では輸液療 法施行中のモニタリングについて述べる.