ガンダイオード装荷コプレーナ線路共振器を用いたK帯Push-Push発振器

摘要

本論文では，ガンダイオードを装荷したコプレーナ線路を能動共振器としたPush-Push発振器を提案する．1/2波長コプレーナ線路共振器にガンダイオードを一体的に組み込むことによって，能動共振器として動作させる．この回路は両平面回路構造を採用しており，その裏面にコプレーナ線路共振器を形成し，その両端に二つのガンダイオードを組み込む．表面にはマイクロストリップ線路を形成して発振出力を取り出す構造であり，極めて簡易な構成となっている．この発振器をK帯で設計・試作した結果，所望発振出力となる二次高調波は，周波数19.8GHzで+3.67dBmであった．位相雑音は，オフセット周波数1MHzのとき-115.2dBc/Hz，100kHzのとき-89.3dBc/Hzである．この結果，ガンダイオードによるPush-Push動作を初めて確認し，更に所望の二次高調波発振出力が効率良く得られることを実証した．