2段階側波帯抑圧法による広帯域SCM信号の光SSB変調

摘要

これまでに高周波SCM信号伝送の分散による信号劣化を防ぐため，光SSB変調が理論や数キャリヤの伝送により検討されてきた．本論文では，140キャリヤ約20GHzまでの広帯域SCM信号を伝送することで，現在まで報告されていなかったSSRと電力ペナルティについて検討を行い，SSRを改善するために2段階側波帯抑圧法を提案し，伝送結果について報告する．電力ペナルティの検討では，最大電力ペナルティを1dB,2dB,3dBに保つためには，それぞれ，SSRは24.9dB，18.8dB，15.3dB必要であり，また，最大電力ペナルティを1dBとすると，SSRが0dB（すなわち，光DSB信号）では7.5km，10dBでは9km，20dBでは14.6km，24.9dB以上では∞までの伝送距離をもつことを明らかにした．更に，高周波のSSRを改善するために位相シフト法の後に光フィルタ法を用いる2段階側波帯抑圧法を提案した．これにより，電力ペナルティは位相シフト法が2.2dBに対し，2段階側披帯抑圧法では1.2dBになった．また，200kmの1.3μm零分散SMFを用いた伝送を行った結果，波長分散によるCNR劣化はなく，2段階側波帯抑圧法の有効性が確かめられた．