10G-EPONにおける異速度ONU混在収容時の公平性を実現する適応型DBAアルゴリズム

摘要

PON(Passive Optical Network)システムは光ファイバをスプリッタで分岐し,多数のユーザで光ファイバを共有することで,経済的にFTTH(Fiber To The Home)を実現するシステムである.限られた帯域を多数のユーザで共有するため,動的帯域割当(DBA：Dynamic Bandwidth A1location)により帯域を有効活用する技術が研究されてきた.これまで筆者らは,上りデータの低遅延化を特徴とする適応型DBAアルゴリズムを検討してきた.現在,1Gbit／sクラスのPONであるGE－PON(Gigabit Etherne Passive Optical Network)が普及しているが,急増するインターネットトラヒックを背景に,GE-PONの10倍の伝送レートをもつ10G-EPONが標準化され,次世代光アクセス網の通信機器として期待されている.10G-EPON導入の際には,一つのOLT(Optical Line Tbrminal)配下に,伝送レートが1Gbit／sの既存のONU(Optical Network Unit)と,新たに設置される伝送レートが10Gbit／sであるONUの混在収容が想定される.伝送速度が10倍異なること,更に誤り訂正の方式が異なることにより,ONU間の公平な帯域割当が課題となる.本論文では,10G-EPONにおいて伝送速度が異なるONUを混在収容する際の公平な帯域割当を行うDBAアルゴリズムの提案と,試作システムによる評価結果について述べる.